科学はいつも正しいとは限らないし、正しさは幸せに結び付くとは限らないのかもしれない。

書籍「クレイジーライクアメリカ」内のサンジバルの統合失調症の話。
具合が悪いときは霊にとりつかれてるだけだからと考えていたらしい。なので具合が悪いときは世話をされ、具合が良いときは家族としての役割を…という感じだったらしいのだ。
(私はこの霊がどうのは一切信じないタイプの人間なので拒絶反応をおこしかけた)

アメリカ精神医療が入ってくるまでは。
だが、アメリカ精神医療を取り入れた患者の家族は患者の世話を無駄だといい患者にやる気だせという
(統合失調症は必要な部分ではドパミンが分泌されないので代償機能が発動し他の部分でドパミン過剰になり幻覚が出たりで、
必要な部分のドパミンが足りないから出来ないでいることが周囲から怠けてたりするように見えるということまで教えないのかよという突っ込みも持った。
しかも家族に必要な心理教育がされてない。高EEといって家族が患者に表出する感情があまりに同情的で巻き込まれ気味だったり、逆に敵意や批判過ぎても再発に関係するのだが。)

と、中途半端に持ち込むのがよくなかったのではとも思うが脳や遺伝が関連する疾患と認識されてる地域ほど患者と関わりたくない傾向が高くなるという。
つまり先進国の精神障害者ほど厳しい環境に置かれることになる。

私は精神医療全否定派ではないし霊が云々は信じないが、精神医療が実質ない文化や社会のほうが精神障害者は生きやすいのかもしれない。精神障害者という概念そのものは存在せず、霊にとりつかれただとか、ちょっと具合が悪いだけとかで社会から退けられたりしないのだから。

自分が統合失調症だったらどちらの文化にいたほうが幸せか、ほとんどのひとは前者ではないのだろうか。これでは先進国で治りが悪いのは何の種もしかけもなく当たり前だ。

科学はいつも正しいとは限らないし、正しさは幸せに結び付くとは限らないのかもしれない。