「普通がいい」という病 (書評/感想など)

精神科医の泉谷閑示さんが書かれた心の病気全般をセロトニンがどうとかではない本質に迫るべく
文学や哲学から多数引用し説得力のある解説を展開したり、オリジナル棒人間イラスト解説が入ったりとユニークな1冊です。

頭ごなしではなく、イメージ的にはお坊さんの説法に近しい口語で書かれています。3年前に購入しましたが、時々読み返すこともあり、なかなか手離せない本です。

アドラー心理学等とは180°違う淡々とした優しい解説で患者や悩める者を責めたりしませんが、癒す感じでもなく、諭す感じに近いと思います。

一部引用抜粋してみます。
感情の井戸(上から怒・哀・喜・楽の順に水中に沈み、水は無意識、空気が意識のイラスト)

「4つの感情のボールは、この図のように怒・哀・喜・楽」の順番で井戸の中に入っています。これは、私のこれまでの臨床経験から明らかになってきた、とても重要な所見です。

4つのボールは順番に入っているので、一番上のボールが出ないと2番目、3番目は出てこられません。ここで上の2つは、よく「ネガティブな感情」と言われるものであることに気づかれるでしょう。一方、下の2つは「ポジティブな感情」と言われるものですが、これらは上2つの「ネガティブな感情」が意識に出てこない限り、出られないようになっているのです。 引用終わり

個人的には喜怒哀楽は怒哀喜楽にしてもいいと思います。きどあいらくの方にが慣れてるから言いやすいですが。

他にも、小ネタとして体調を崩した場合などは動物はこっそり安全な場所に隠れ回復を待つ、風邪くらいなら空腹のほうが白血球が活発になり回復が良いので理にかなっている。健康法に振り回されなくても良い。

純粋なうつ病の人は休職中昼夜逆転してしまうことがあるが、無理に直さないほうが回復が良い。何故なら昼は皆が仕事してる「きちんとした時間」だから。

など、なんとなく府に落ちるし共感できる内容構成になってます。私はライトブルーの蛍光ペンで沢山線を引いてしまいました。


突然ですが私がアフィリンクを貼らないのは好きで書いてるブログで心境変化洞察のため自分で読み返すので、あんまりごちゃごちゃさせると後々自分で読みにくいからです。