今さら白夜行ってドラマの感想と感想の考察

感想が純愛だなんだって書いてあるのに違和感(もちろんプラトニック=純愛とは思ってない)

主人公2人には依存心しか感じ取れない。
お互いを自分の思い通りにしようと本人の意思を無視して、自分の意思や行動を押し付け、受け取らせるのは愛とは違うような。

相手がこうしたいって希望や意思があれば、それが他人を傷つけない内容なら尊重し、傷つける内容なら止めるのが愛じゃないかな。『他人を傷つける方も痛手や傷を負う』し。

金八刑事や柏原製薬は主人公2人にそういうの持ってるのを感じたけれど【罪を認め偽りの人生を降りて楽になって欲しい的な思いやり的な。
金八刑事は疑似親心的な何かで、柏原製薬は救済者コンプ的な何かで一応相手が楽になるのを勧めてるので、愛情に近いと思う。本人達も別々の時期に自首しようと一度は思ったわけだし】

主人公達の相手の意志無視は愛情?とは思えない。
それなら雪穂の母親だって食わせるために本人に売春させてるのも愛情扱いにならないとおかしい。愛で空腹を満たし餓えを凌ぐのは不可能だし、母親は偏った性癖の売春客にとっては商品価値がない訳だし。いくらでもこじつけ出来る。

いくらあの2人の生い立ちが酷くとも、強姦風にされた友達・利用された元旦那さん・薬剤師さん・養母も非がないのに相当酷い目に遭ってる映像も心理描写も流れてるのに、主人公達だけ純愛とは思えない。

自分の過去が重いからって、他人の辛いことが相対的に軽くなるわけじゃない。
むしろ過去に酷い目に遭ってる人ほど自分が酷いと毎回感じてたら精神がもたないから、ある程度慣れが生じてくる。

殉職刑事も休日捜査してたとは言え完全に巻き込まれだし。
2人に同情出来るのはせいぜい最初の親殺しだけで、それ以降は2人にも完全に非がある。

というか雪穂は思考回路が反社会性・演技性・境界性を含むB群人格障害のようにしか見えない。
エディプス葛藤を感じてるように見えた(受動的だけど売春過去があり自己の女性性に自信がないというか)
一見亮側が被害者に見えなくもないが亮側も離れようとしない訳で類友に見えるし。金八に対する殺し方変更も犯罪者思考に思えた。結局また殺そうとしてるし。最期死んで逃げるし、警察に捕まっても罪を償いながら嘘の証言で雪穂を庇うことは可能だったはすだが。


少なくとも主人公2人に感情移入しても、純愛だとか思えた要素がないし全く応援出来ない。共感は出来るが。

雪穂は過去を最大限引き摺って生きるから、過去の自分に同族嫌悪を抱くのかもしれない。(私は法に触れることはしてないが)

創作の中だと境界例は儚げで美しく見え純愛扱いを受け、現実境界例は化け物扱いで被害者の会結成になるのが健常者の一般的感性だとしたらさっぱりわからないし、わかりたくない。単に事実は小説より奇だからなのだろうか。


(本当は間違ってる心理学本で一時的な性的虐待よりも、長期間な両親の不仲や家庭内不和や虐待や放置などのほうがダメージが大きいことが統計と共に書かれていた。)
私が感じた違和感はここかもしれない。主人公女は後に養母に恵まれるのに何故心も思考回路も更正されないし癒されないままなのか。

そして小さな時から罪を犯し続けるという事は情状酌量の余地がある正当防衛に近くても、後天性な性格の歪みでなく先天性のサイコパス的に見えてしまうからかもしれない。
最初の一回だけならば話は成立しないが。


ラストで精神崩壊した雪穂も意味がわからない。
普通に幸せになってといった亮に